






ひこ・田中 はまのゆか / 光村教育図書
年をとるといろんなことがへたになります。
耳が遠くなり電話にでるのが下手になり、ものを覚えるのが下手になり、歩くのも下手になります。
おばあちゃんの代わりに電話にでたり、歩くのを支えたりする孫のネネちゃんが
「おばあちゃん、へたやねぇ」
と言い、おばあちゃんは
「ネネちゃんはじょうずやねぇ」
と褒めます。
日常、「へた」というのは相手を見下すような言い方になりがちですが、本来、へたであることは一つの人間らしさであったり、相手に歩み寄るひとつの能力のように感じます。
誰にでも必ず下手なところがあり、上手なところがあります。
下手だからこそ上手な人を褒めることができ、相手の心を温めることができます。
心温まった相手は、また誰かを褒め、そのあたたかな輪はどんどんひろがっていくのです。
全編関西弁の、とても優しい絵本です。
読んでもらうなら5歳頃から。
自分で読むなら7歳ごろから。